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足立区の現実 2009.10.01

「ワリキリで、イチゴー」。テレクラにコールしてきた女(自称37歳)は、スタバの奥に坐るなり、1と5の指を立てた。髪はレッド、切れ長の目、肌が白い。黒のタイトを穿いている。レッド子の住む東京・足立区は、埼玉県に隣接する。震災や空襲で被災した人たち、ついで昭和30年代の高度成長期に東京へ流入してきた者が、住んだ。<都営><区営>の住宅が大規模に建設された。いまも3万3000戸の公営住宅がある。

「格差と貧困」が論じられ始めて、足立区は東京の「下層社会」としてメディアにたびたび登場する。象徴に、東武伊勢崎線<竹ノ塚駅>がある。駅を降り、ホームレスの群れを目にするわけではない。バスロータリーの正面、右、左に、低層の公営住宅が広がる。パイナップル、ひじき煮、鶏からあげが100円ショップの棚を占め、ドン・キには「キムチハムニダ ご飯に合うセヨ」のチラシがぶら下がっている。「辛ラーメン」3袋入りパック、よそでは358円が298円。

足立区、税収300億円。生活保護費338億7000万円。単純計算で、税はすべて約1万3000世帯の生活保護日に消え、まだ足りない。そして全生徒の40%、1万8614人の小・中学生に就学補助をしている。しかしそれでも、コイズミ改革以降、鉛筆、消しゴム、給食費、体操着を、レッド子の娘など買えない子どもが出てきた。この数字は、母と子が、家族が、道路に野宿する釜ケ崎の大阪・西成区の50.4%に並ぶ。そこに「中学校卒業までの子どもに月額2万6000円」年に31万2000円(初年度半額)を支給する子ども手当法案がでてきた。

「就学補助は<都営>の多い地域では80%を超えます」足立区に住み、足立区で30年以上教員をし、中学校長を務めたA氏の口調は幾分憤懣を含む。

「ところが各クラス4~5名は、給食費、教材費を払わない。催促の電話をかける、手紙も出す。しかし『払います』というだけです。給食がいちばんの栄養源だから、夏休み、子どもの体重は減る」校長氏は、携帯を持つ率をいう。小学5年で40%、中2で75%。毎月、5000円から2万円を使う。

「だから貧困というのはなんですか。年収200万から300万円、苦しいのは確かです。しかし、食えないのではない。保護を受けながら携帯を使う。髪を染める。そして、給食費、教材費を払わない。督促をかさねて、学校が、どうやら本気らしいと分かると払う。生活保護が受けやすいように偽装離婚する家庭、中学生が夜に徘徊しても黙っている親、家の中が汚いからと家庭訪問を拒否する家。懇親会には、40人のクラスでせいぜい4~5人しか来ない。子どもの教育に心を砕くより、いかにトクするかを考えている親ばかりです。東京23区で、2万6000円の子ども手当てをいちばん喜ぶのは、足立区民でしょう」

足立区選出で初当選した、民主党・平山泰朗氏の論。「足立区独特の格差の連鎖ははっきりしています。収入が少ない→高等教育を受ける機会が少ない→就職後の収入が少ない。変でしょう。同じ偏差値50で、金持ちは学校に行ける。貧乏の子は行けない。民主党マニフェストの子ども手当と高校無償化でこの連鎖を断ち切りたいのです」
 
3番目の女は、えらと顎が脇にひろがり、カニみたいだった。自称・28歳。「ワリキリで、イチニイ」と指を突き出した。待機児童のいる元「ヤンキーしてた」シングルマザー。朝9時から午後3時までスーパーでレジ打ち。「倉庫からよ、商品運びもね。ほら、こんなに腕が太くなった。で、月収21万。子どもは、近所に住む母親が見てくれてっけど、大変っす。都営の部屋、狭えし、すげえストレス。別れた奴から養育費1回送ってきただけ。ノイローゼになりそう。でも夢があるんす。いつか韓国で暮らしたいって。向こうなら生きられるかなって。んで、ハングル語講座に通ってんだよ。月謝は半年で28万円。子ども手当もらって夢かなえるっす」

ソース(週刊ポスト 10/9号 132-135ページ)




足立区民の方、ご愁傷様です。
と言うか、この現実を政治がなんともしようとしていないのが不思議ですよね。ま、不思議でもなんでもないけど不思議ですよね^ω^

生活保護は、必要最低限の慎ましい暮らしが出来る事が必須です。
髪染めたりハングル講座に行ったりする余裕があったら給食費を払ったり、子供をちゃんと育てる事に重点を置いて欲しいものですね。

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