タバコ増税でちょっと考える 2009.12.22
たばこ増税5円で調整=主力製品400円に
政府は21日、たばこ税を来年度から1本当たり約5円引き上げる方向で最終調整に入った。たばこ税をめぐっては、鳩山由紀夫首相が政府税制調査会への諮問で「健康目的課税」への転換を指示。税調も来年度からの増税で一致していた。
政府は社民、国民新両党との調整を経て、22日に閣議決定する2010年度税制改正大綱に盛り込む方針。これにより、1箱300円(20本入り)の主力製品の価格は400円に値上げされる見通しだ。
たばこ税は1998年12月以降3度増税されているが、いずれも1本当たりの上げ幅は約1円。5円もの増税は過去に例がなく、消費量の激減も予想される。このため政府は、葉タバコ農家や販売店などへの支援を併せて検討する方針。(2009/12/22-00:35)
まあ、自分煙草は嗜んでいないので増税しようが影響はほぼ0なわけですが。
それでも思うことはある訳です。素人考えですけど。
政治的、と言うか経済的に。
ニュースでは、次のように書かれています。
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たばこ税は1998年12月以降3度増税されているが、いずれも1本当たりの上げ幅は約1円。5円もの増税は過去に例がなく、消費量の激減も予想される。このため政府は、葉タバコ農家や販売店などへの支援を併せて検討する方針。
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確かにコンビニで働いていた頃、煙草は20円ずつの値上げでした。
売れゆきなんかを思い出すと、値上げの直前辺りの時期はカートンで買いだめをしようと考えた人がわんさか来て大変だった覚えがあります。
煙草の増税は決定事項くさいので、また同じ事が起きるでしょうね。
そうすると、一時的には税収も上がります。ちょっぴりだけど。
しかし、長期的に見てどうなるでしょうか?
デフレ経済下では、供給過剰によって物の価値が下がっていきます。
薄利多売が主になりますので、ほとんどの企業の売り上げは下がり、ご存知の通り給料も上がりませんしボーナスなどの賞与も少なくなります。
そうなると当然家庭は消費を抑えるようになる。そうするとまた企業の売り上げが下がる。さらに人々は貯蓄に励み消費を抑え借金を返す事に一生懸命になる。
これの繰り返しによって市場に出回る”お金”が少なくなっていくわけです。
企業の売り上げが落ち国民がお金を使わなければ国としてはどんな影響があるか?
税収が落ち込みますね。つまり、国の収入も落ちる訳です。
本来であれば、デフレギャップと言う状況を利用して国債を発行すれば済む話なのですが、「国債は国民の借金!」「このままでは日本は終わる!!」と言った間違いで頭が凝り固まった人たちが運営をしている為に期待は出来ません。
実際に「国債の発行はここまでで抑えます」と言ってますし。
ならばどうやって税収を増やすか?
経済の成長が見込まれないのであれば増税以外ないわけです。
大好きな日本破綻論を利用して与党を叩いてきた上に、それが正しいと思っているのですから間違いをしっかりと認識して認め、それを正さねばならないのですが、そんな事を出来る政権かどうかといえば、ここ数日のニュースを見るまでもなく分かると思いますw
では、増税するとどうなるのか?
税金は避けれられない支出になりますので、そのしわ寄せは間違いなく財布に影響を与える事になると思います。
煙草を買う控える人もでてくるでしょうし、別な物に対しての支出を減らす人も出てくるでしょう。たばこ農家にだって影響は少なくないのはちょっと考えれば分かる事です。
増税は庶民が消費を抑制してしまう社会情勢では思いっきり逆効果だと言うのは分かって頂けるかと思います。
イメージしてみると、中世の貴族が重い税を農民にかけて自分達は悠々自適な生活を行っているってのが適切ですかね。「パンがなければケーキを食べれば良いじゃない」と名言と共に。
ま、脱税しても平然としている人間が総理ですから、あながち間違いではないでしょう。
彼からすれば民間の年収は1000万だと思っているそうですし、何より60過ぎてもこれまで月のお小遣いが1500万でしたからw
ちなみに、煙草の税収の推移はこんな感じです。
税収の推移~Wikiより~
度重なる増税などで横ばい傾向であったが、平成20年度は大きく計画を下回った。 たばこ税は平成9年から3度の増税が実施されたが、販売数量の減少により税収は伸びていない。
財務省の統計を参照(単位:100万円)
平成9年度 1,017,617
平成10年度 1,046,172 ← たばこ特別税創設
平成11年度 905,000
平成12年度 875,509
平成13年度 861,438
平成14年度 844,101
平成15年度 903,157 ← たばこ税増税
平成16年度 909,736
平成17年度 886,736
平成18年度 927,168 ← たばこ税増税
平成19年度 925,345
平成20年度 850,859
分煙、禁煙、嫌煙の社会傾向も手伝って、たばこによる税収は横ばいから下がり気味となっています。平成9年に比べると、平成20年の段階で約25%の収入減です。
最初にも言いましたが、実施される直前は安売りセールみたいなもので、前回同様値上げ直前にカートンで買い溜めをする人が大量に発生し、その月のたばこの売り上げだけが伸びる事になると思います。
そして、そこから一気に需要が下がっていく事になるでしょう。
タバコを吸わない人間からすれば、自分の生活にはなんら影響はないと思うでしょうから「ふ~ん」で終わってしまうかもしれませんが、「こういう形で税収を増やして政府が何をしたがっているのか?」と言う事を見逃してはいけないと思います。
大きく見て連中がやりたいのは「票集めの為のばら撒き」である子供手当てや「見せ掛けの公務員改革(先延ばし決定)」、「鳩山イニシエーション、じゃなくて鳩山イニシアチブ(首相自身が命名)」と言う名の見返りの無い海外へのばら撒きくらいです。
あとはまあ、言わずもがな闇法案関連でしょうか。
「税金取られた!」と言うだけではなく、その運用先が何であるかによっても賛否をする方が建設的ですよね。
って事で、自分煙草吸わない人間ですが、今回の増税には反対です。と言うか遺憾の意を示したいと思います。
だって、あからさまに現政権がやってるバカの尻拭いを大衆に押し付けているだけですから。
デフレ状態の中で、緊縮財政にとどまらずに国民の財布を固くする方針に出るだなんて愚かなんです><
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