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大事な事だから二度言います 2009.06.05

NHKJAPANデビュー「アジアの一等国」恣意的放送の件です。

つい昨日、記事中にあげていた中山元国交相の公式ページに再質問をしたという記事がありました。

NHK福地会長への再質問状
先日、福地NHK会長からの回答に、数々の疑問点がありましたので、再質問状を発送することになりました。



贔屓目に見てるとしても、質問状の方がしっかりと資料を読み解いているようにしか見えないのですが…w

下に全文を掲載しました。
この文と、先日NHKが行った経営委員会の議事録を見て頂ければ後は言う事は無いと思います。


<再質問状>

早速ながら用件を申し述べさせて頂きます。

前回の質問には、福地茂雄NHK会長の代理として、ジャパンプロジェクト・エグゼクティブ・プロデューサー河野伸洋氏より回答を頂きましたが、我々も回答書に記載されていた同じ資料を入手し、精査しましたところ、資料解釈に初歩的なミスか、若しくは恣意的な解釈が散見されましたので、あらためて再質問させて頂きます。

尚、再質問に関しては、専門的知識を必要としない、DVDなどを視聴した回答は、福地茂雄会長自ら答えて頂ければ幸いです。

「人間動物園」に関してNHKは、日本政府の公式報告書『日英博覧会事務局事務報告』を資料として提示されました。我々も同資料を入手し、精査しましたところ、回答に事実誤認がありましたので指摘させて頂きます。

その史料の第17章に『日本余興』があります。

〈…博覧会当事者より漸次我事務局に交渉し来れる所あり該余興の種類に関して意見を交換したる上本邦の品位を損するものは一切之を許容せさることに方針を定め而て同時に英国当事者の希望をも参酌し結局左に掲るものを選択容認せり〉

一、会場内に日本家屋数軒を建築しその内に於て日本物品の製作実演すること
二、パノラマ的なる我田園の模型
三、アイヌ村落
四、台湾蕃人の生活状態
五、本邦演劇
六、獨樂曲藝、手品、雀藝、水藝等
七、活動写真
八、要馬術

以上が、同博覧会の催し物です。


NHKの回答にある〈会場内でパイワンの人びとが暮した場所は「台湾土人村」と名付けられ、「蕃社に模して生蕃の住家を造り(注・欠落文言「蕃社ノ情況ニ擬シ」)生蕃此の所に生活し、時に相集りて舞踊したり」と記されています。相撲などほかの余興と異なる点は、パイワンの人びとを「土人村」で寝泊まり、生活させ、その暮らしぶりを見せたことにあります。〉と、述べています。

最初に指摘することは、資料を省略するとき「略」を付記しないで、「蕃社ノ情況ニ擬シ」を削除して引用したことは、恣意的な解釈をするためと誤解されます。

それは、「蕃社ノ情況ニ擬シ」た催事であれば、どのように解釈しても「人間動物園」との表現は不適切となるからです。


回答書には、パイワンの人びとだけを差別的に「土人村」に寝泊まり生活させたとあるが、これは、明らかに間違いであります。

同報告書では、「アイヌ人」も同様に生活し、その他各人の希望で居住場所を選択できたと、資料に記載されています。

以下、この関係箇所を引用します。


〈「アイヌ」村落約900坪及台湾村落(約1300坪)ニシテ一ハ「アイヌ」部落ヨリ齎シ来リタル数個ノ茅屋ヲ以テ部落ヲ構ヘ「アイヌ」人之ニ分居シテ其ノ日常ノ生活ヲ営ムカ如ク設備シ一ハ蕃社ニ模シ(以下、NHKの引用文に続く)〉とあり、アイヌ人も同様だったことが理解できます。

同博覧会の会場は、次のようだった〈会場余興地区内十一個所ニ経営シ(博覧会平面図参看)其ノ内四個所ハ新設シ七個所ハ既存ノ建造物ヲ使用セリ(中略)既存ノ建物ヲ充用シタル日本余興ハ角力、活動写真、軽業其ノ他諸藝、柔術等ニシテ就中角力ハ宏壯ナル元加奈太館ヲ充用シテ興行シ頗喝采ヲハクシタリ(中略)余興従業者ノ住家ハ(中略)会場附近ノ住家ヲ借入シメ之ニ居住セシメタルカ後各本人等ノ望ニ依リ余興場ノ建物内ニ便宜ノ施設ヲ為シテ居住セシムルコトトナレリ(以下略)〉と、記載されています。


上記から、角力(相撲)などの余興は、既存の建物を使用していたのであり、もともと居住用の建物でなかった。

アイヌ人ならびに蕃人達の余興地区内には、村落を新設して生活できるように整備されていた。

また、居住場所は、本人の希望で「附近ノ住家」か「余興場ノ建物内」を選択することも可能だった。

NHKが使用したものと同じ資料を精査した結果、パイワン(蕃人)の人びとだけが、差別的な扱いをされていたとの解釈は、捏造と判断するに至った。

NHKの内規【取材・制作の基本的な姿勢】〔正確]には、「事実関係の誤りが明らかになった場合には、速やかに訂正する。」を踏まえて、次の質問をさせて頂きます。  

尚、回答は、誤解を生じないよう択一でお願いいたします。また、文章で回答する場合でも、必ず「択一」にも回答をお願いいたします。



(一)、回答書に「上記のような史料や研究者への取材により、日英博覧会で

パイワンの人びとの集合写真に『人間動物園』という表示をしています」とあるが、日英博覧会を示す「上記のような史料」とは、『日英博覧会事務局事務報告』だけですが、その中に「人間動物園」との記述があるのか否か。

(イ)、記述はある。
(ロ)、記述はなかった。
※、(イ)を選択した場合は、同史料の頁を記載して下さい。


(二)、前回、回答を頂けなかったが、パイワンの人びとの「集合写真」に、「人間動物園」と記述されていたか否か。

(イ)、記述されていた。
(ロ)、記述されていなかった。


(三)、回答書に、パイワンの人びとの余興地区を、「台湾土人村」と、名付けられていたとあるが、『日英博覧会事務局事務報告』のなかに、「台湾土人村」との記載を確認できないが、同史料に「台湾土人村」と記載されている否か。

(イ)、「台湾土人村」と記載されている。
(ロ)、「台湾土人村」と記載されていなかった。
※、(イ)を選択した場合は、記載されている頁を記述して下さい。


(四)、1919年のパリ講和会議で、日本が上程した「人種差別撤廃決議案」に反対した英国などの資料や研究者の証言は、客観的に問題があります。欧州側の視点で「人間動物園」と、写真に侮辱的なキャプションを付けたのは、NHKの責任です。

そこで、次の質問をします。

「JAPANデビュー」シリーズは、再放送やいずれDVDなど商品化するであろうが、「人間動物園」との侮辱的なキャプションを付けたままにするか否か。

(イ)、キャプションを付けたままにする。
(ロ)、キャプションを削除する。
(ハ)、再放送も商品化もしない。


(五)、改姓名に関して、林さんは、最後に「……改姓名すると昇級の条件になってしまうんです。それで仕方なしに、みな改姓名するんです」と証言している。当時、台湾で「改姓名」をしたのは数%だったが、視聴者は、「仕方なしに、みな改姓名するんです」との証言を視聴させられると、「強制」との印象を受けてしまいます。また、河野氏は回答書で、林さんの発言「みな改姓名するんです」を記載していませんが、「みな」と「全員」が同意語になることを承知して引用しなかったのではないか。

NHKの内規【取材・制作の基本的な姿勢】〔企画・制作〕には、「事実をゆがめたり、誤解を与えたりするようなことがあってはならない。」とあるが、放送された「それで仕方なしに、みな改姓名するんです」は、数%しか「改姓名」をしなかった台湾の歴史的事実に、「誤解を与えた…」ことが明らかです。そこで、次の質問をします。


再放送やDVDなど商品化するときに、「そこで仕方なしに、みな改姓名するんです。」を削除するか否か。

(イ)、誤解されないように削除する。
(ロ)、誤解を与えたと思っていないので、削除しない。
(ハ)、誤解を与えないように、「台湾での改姓名は、最終的に数%でした」とのテロップとナレーションを付け加える。


(六)、前回の質問(十)の回答に、〈番組は、ある台湾人の方が、親族の事情を語る中で、日本人の妻になって「内地」に行った女性が結局戸籍に入れなかったという、個人的に受けた差別の現実を述べたものです。〉とあるが、個々の家庭の事情を語らせ、台湾統治時代が差別的だったと強調する印象操作が明らかです。朝鮮半島の「創氏改名」と台湾の「改姓名」は、民事令の改正の中で実施され、入籍は認められていました。
現在の日本でも結婚してから、入籍までの期間は、個々の家庭の事情で様々です。
公共放送に於いて、個人的意見を語らせ、台湾統治時代の行政政策だったかの印象をもたせたことは失当である。

【日本放送協会番組基準】〔第5項・報道番組〕には、「…特定の意見をはさむときは、事実と意見とが明らかに区別されるように表現する。」となっており、そこで、次の質問をします。


台湾統治時代の戸籍に関して、個人的意見と事実の違いが視聴者に理解できるように「改姓名実施当時、台湾女性の内地での入籍は認められていた」と、再放送やDVDなど商品化するときは、テロップとナレーションを付け加えるか否か。

(イ)、付け加える。
(ロ)、あくまで、個人的体験の事実を報道したもので、当時の台湾統治の行政政策と相容れない意見と承知しているが、問題ないと判断し、付け加えることはしない。
(ハ)、事実と個人的意見が違っているので、個人的意見を削除する。


(七)、質問(十一)の回答に〈日中戦争当時、台湾に500万人の漢民族がいたことは台湾総督府文書に記されています。〉とあるが、台湾では、現在でも本省人と外省人との様々な問題があることは、報道機関としてNHKも承知していることでしょう。日中戦争当時(昭和十二年末)の『台湾常住戸口統計』(台湾総督府官房企画部)には、〈内地人、本島人5,524,985(福建系・広東系・其ノ他ノ漢人系・平ホ(土へんに甫)族・高砂族)、朝鮮人、中華民国人、其ノ他ノ外国人〉と分類されていた。NHKの放送では、「漢民族500万人」と表現していたが、それは台湾の歴史を無視した独善的解釈です。台湾総督府の文書では、「漢民族」と断定した表現でなく「漢人系」と、台湾の歴史を踏まえた記述になっている。当時の歴史的資料を使用するときは、正確に引用しなければ誤解されることになります。

【日本放送協会番組基準】の〔第2項人種・民族・国際関係〕には、「人種的、民族的偏見をもたせるような放送はしない。」となっている。それらを踏まえて次の質問をします。


再放送やDVDなど商品化するときには、「漢民族500万人」との表現では誤解を招くので、史料との整合性をもたせ、正確な表現「漢人系約500万人と高砂族など約21万人」と訂正するか否か。

(イ)、訂正します。
(ロ)、「漢民族」との表現が、大きく逸脱した表現でないので、訂正することはしない。
(ハ)、問題部分を削除する。


(八)、質問(十二)の回答は、〈番組では、「この時、アメリカ大統領ウィルソンの発言が、世界の植民地に大きな影響を及ぼしていました」とコメントしています。ご質問に記された歴史的事実は承知しております。ウィルソン自身の真意がどこにあったか別にして、「民族自決主義」という発言がヨーロッパの独立に影響を与え、アジアの植民地に大きな影響を与えたという事実を番組では述べています。〉となっています。

回答の中の「この時、…」とは、千九百十九年の「パリ講和会議」を指しているのであろうが、ウィルソン大統領の「民族自決主義」の主張は、「この時」でなくパリ講和会議に先立って千九百十八年一月八日に公表した『講和原則十四箇条』と『講和原則四箇条』(同二月十一日)の間違いと思われます。因みに、パリ講和会議で独立できたのは、ドイツ、オーストリアなどの第一次世界大戦の敗戦国の欧州の領土だけでした。パリ講和会議に日本が上程した「人種差別撤廃決議案」が、過半数以上の賛成があったにも拘わらず、「民族自決主義」を唱えていたウィルソン議長が採択しなかった矛盾点に関して、河野氏は「ウィルソン自身の真意がどこにあったか別にして、…」とあるが、それを「別にして」は歴史認識報道は成り立たないのです。また、河野氏は、日本が上程した「人種差別撤廃決議案」を承知していたのであれば、その歴史的な事実に触れなければ、著しく公共放送としての公平性に欠けている。

NHKの内規【取材・制作の基本的な姿勢】〔公平・公正〕には、「歴史的事件、事柄、事象について意見の対立があるものや、学問的に見解が対立しているものについては、多角的に検証したうえで放送する。」となっています。

総責任者の河野氏が、「ウィルソン自身の真意」に疑問を呈しているのであり、「多角的に検証」していなかったことを自ら認めています。

そこで、次の質問をします。


再放送やDVDなど商品化するとき、日本が上程した「人種差別撤廃決議案」をウィルソン大統領が採択しなかった矛盾点に関して、テロップとナレーションを付け加えるか否か。

(イ)、付け加える。
(ロ)、付け加えない。
(ハ)、再度検証して新しいものと差し替える。


(九)、【日本放送協会番組基準】〔第十一項表現〕には、「通常知覚できない技法で、潜在意識に働きかける表現はしない」とあるが、「JAPANデビュー」のオープニングタイトル映像(1分30秒)の中に、通常識別・知覚できない映像が隠されています。

まず問題なのは、、ヒトラーから白馬に騎乗した軍装の昭和天皇陛下に、続く十数枚の画像の中に、「日本兵達が軍刀を掲げ叫んでいる写真」をヒトラーの写真と並べ、次に「アウシュビッツのユダヤ人を連想させる写真」を出現させ、その写真の横にクッキリ「1937」の年号と「死体に抱きついている女性の写真」をレイアウトされています。

これは、「ヒトラーと昭和天皇陛下は同罪で、ホロコーストと同列に『1937南京問題』を印象づけるサブリミナル技法のような手法」になっています。この映像は、いま識別できなくても、今後繰り返し放映されることで、前述した通りの「印象」が、擦り込まれることになると思われます。

また、ベトナム戦争時の「米軍ヘリコプターの写真」(3画像)は、通常の状態でまったく知覚できません。


そこで、次の質問をします。

NHKは、再放送やDVDなど商品化するとき、「ヒトラーと昭和天皇陛下」ならびに「ホロコーストと『1937南京問題』を彷彿させる印象操作映像」と「米軍ヘリコプター」の画像を削除するか否か。

(イ)、削除します。
(ロ、)削除しません。
(ハ)、指摘されたところを含め、通常に識別・知覚できるものに作り替えます。


(十)、回答書(十三)には、〈…番組で使用した部分は、柯さんの発言の趣旨を十分に反映していると考えています。恣意的な編集はしておりません。なお、NHKは柯徳三さんから抗議を受けておりません。〉と、記されています。

日本文化チャンネル桜が、台湾へ行き、NHK「JAPANデビュー」シリーズ第一回「アジアの〝一等国〟」に出演した柯徳三さん達に独自取材した取材映像(同封DVD:8分)を検証した結果、NHKの回答に拭いがたい重大な疑義があると判断しました。

ご覧になってから回答してください。

尚、この項の質問は、歴史認識の専門的知識を必要としない、NHKの【番組基準】や【取材・制作の基本的な姿勢】などの内部規定に準じた質問ですので、福地茂雄会長代理ではなく、福地会長自ら回答して頂ければ幸いです。

NHKは、「恣意的な編集」をしていないとか、「抗議を受けて」ないとのことですが、柯さんの取材映像では、同番組視聴後に浜崎ディレクターに抗議したことが記録さています。

その柯さんの証言は、「私は浜崎さんに言うたんだ。あんた、中共の息がかかっているだろう……」と述べています。

また、蒋松輝さんにNHKは「…良い方は皆わかっているから、良い方は言わなくもわかっているから…」と、「偏向取材・編集」を示唆しています。

以上、取材映像とNHKの内規【取材・制作の基本的な姿勢】〔正確〕には、「番組のねらいを強調するあまり事実を歪曲してはならない」とか、また〔取材の基本ルール〕には、「取材相手には誠実に接し、互いの信頼を大切にしなければならない」とあり、明らかに食い違っています。

そこで、次の質問をさせて頂きます。


①、NHKは、柯徳三さんから抗議を受けていたか否か。

(イ)、抗議を受けていました。
(ロ)、抗議は受けていません。
(ハ)、浜崎ディレクターからの報告はなかったが、取材映像を見て、NHKに抗議があったと確認しました。

②、恣意的な取材及び編集をしたか否か。

(イ)、恣意的な取材及び編集がされていた。
(ロ)、恣意的な取材及び編集をしていない。
(ハ)、俄かに信じ難いが、取材映像を見ると、問題があったことを認めざるをえない。


以上、日本放送協会が、公共放送の使命として、よりいっそう番組の「質」を向上して頂き、国民の「知る権利」など、公序良俗の指針を示されることを願って、質問をさせていただきました。

尚、上記十問の質問に関して、ご多忙中ことと存じますが、書状を受け取り後、一週間以内に回答して頂ければ幸いです。

平成21年6月3日
 

「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」
会長 衆議院議員 中 山 成 彬

「日本放送協会」
会長 福地茂雄 殿




平成21年5月29日(金)公表
日本放送協会 第1094回経営委員会議事録(平成21年5月12日開催分)  
第1094回経営委員会議事録

執行部からの業務概要説明聴取(前半省略)

(福地会長)
 今度の番組に関わらず、私はNHKの会長になる前から、NHKスペシャルはどのような形でああいったテーマが取り上げられるのかということに最も関心を持っていました。当時の編成局長にどの程度のシリーズがあるのかと聞いたところ、A4のシートの束で持ってきました。1枚1枚がすべてシリーズですが、時の話題などさまざまな観点で、その中から選び出します。

 ある程度の取材を経たのちに、今度はそれをどのような番組にするのかという討議をします。その会議に2回出席しましたが、二十数名がかんかんがくがくと議論します。不偏不党がどう担保されているのかということで言えば、1人が自分の筆で書いて担保するなら、個人でやればいいことです。NHKという組織の中でするなら、NHKの論理というものがありますので、編集方針に沿わなければなりません。

 その編集方針がそういう形で担保されていることに自信を持ちました。取材したさまざまな映像がたくさんあります。その映像をどう取り上げて40分なら40分、45分なら45分の番組に編集するのかということですが、その過程は十数人で行っていました。取材したさまざまな映像を見ながら、これは趣旨がどうだこうだと議論していました。解説委員室にも2回行きました。解説委員も毎日午後5時から24~25人で議論しています。

 明日の解説内容はどういうものにしようか、それについてはどうかというテーマで議論していますが、いわばけんかです。そういった雰囲気で議論しています。編集権というものが組織に付随するというのはそういうことであり、個人だったら怖くて仕方がありません。編集権がそういった形で担保されていることを自分の実感として思っています。足りないところがあったら補足してください。


(日向理事)
 特にNHKスペシャルの場合、特定の分野だけでなく、さまざまな分野の職員がプロジェクトを作って制作します。事実関係のところは慎重にチェックします。まさに「この部分についてこのような放送をした場合、どのようなリアクションがあるのか」ということを予想しながら制作しているケースがほとんどです。ですから、かなりの時間をかけて制作しています。


(井原委員)
 NHKスペシャルについては、前回の意見交換のときに、まさに今おっしゃったように、提案会議というところで、どちらかというと若手の方々、さまざまな立場の方が、かんかんがくがくと議論してテーマを絞り、取材の方向等を検討しているということを申し上げたと思います。私が伺いたいのは、確かにそうした取り組みをしていますが、そういう形で制作したとしても、できあがった番組について、放送前にまた同じようにさまざまな立場の方がもう一度精査するというような仕組みがどれほどできているのかということです。いかがでしょうか。


(日向理事)
 前に申し上げましたが、考査室という部局があります。そこが、全部の番組ではありませんが、主な番組について放送前に番組を見て、例えば番組基準に違反していないか、放送ガイドラインに抵触していないかという考査上の観点で、おおよそ1週間前から、場合によっては直前の前日ということもありますが、事前考査という作業を行っています。ニュースの場合は事前に見ることができませんので、リアルタイムでモニターしています。


(福地会長)
 あの番組の評判がよかったとか悪かったということは誰でもが言えることです。事前考査は番組しかできないため、番組は事前考査するように求めています。ニュースは放送が出たあとでしか考査ができません。出たあとでも構わないので、1週間なら1週間、1か月なら1か月でまとめて、考査室からの報告の際に今週はどうだったという講評をするように求めています。


(井原委員)
 事前考査はもちろん行っていると思いますが、提案会議のようにさらに有効なものにできないかと思います。それは難しいのでしょうか。


(日向理事)
 番組の提案の段階から編集して最終的に完成するまでの間に、NHKスペシャルの場合だと、物によっては10回ほどの回数を重ねます。普通はたくさんのバージョンを作りながら最終的な完成版に至ります。


(小丸委員長)
 執行部に対する業務の執行の監督ということで言えば、経営委員会は業務の中にまでは入れないということを日ごろから申し上げています。とにかく正確で公平・公正な情報の提供に努めていただき、いっそう自主自律を堅持し、また不偏不党を守っていただきたいと思います。


(安田委員)
 自主自律を守ってくださいと言っただけではNHKの人だって困ります。職員一同に、日本の未来、人類の未来に対する責任感をどう植えつけるのかということが大切であり、それを局内の教育で徹底してもらいたいと思います。そうしたらいい番組ができます。NHKの全員に「われわれは人類の未来、日本の未来に対して全員が責任を持っている」という意識さえ芽生えたら、何も不偏不党と言わなくてもいい番組がきちんとできます。


(小丸委員長)
 それも参考にしていただきたいと思います。「JAPANデビュー」の件についてはどうですか。


(福地会長)
 「JAPANデビュー アジアの“一等国”」については、私に親展の手紙が2通、親展でないものが十数通来ました。台湾関係の本も読みました。私が感じたのは、この番組は見方によって、要するに、先ほどお話しした意図がどこにあると考えるのかによって全然違うということです。

 私も前職の時代から、台湾の方々との付き合いが特に多くありました。親日家が多いことは間違いありません。しかし、いただいた手紙にはそういったことは一切書いてありません。台湾の悪いところばかり描いていて、台湾との関係がおかしくなるじゃないかということが書かれています。表現は少しずつ違いますが、大なり小なりそういったことが多く書かれています。

 私は台湾の人には親日家が多いと思いましたが、あの番組を見て、こういった見方もあるのだという新しい発見をした感じがしました。大事なことは、この番組の制作意図です。日本が列強の中にいて、アジアで一等国になりたい。日本が一等国にならなかったら、日本自体がイギリス、フランスをはじめとしたヨーロッパ各国の植民地になる。だから日本はアジアの中で植民地を持つ。

 そういったときに、日清戦争ののちの経緯で割譲を受けたというようなことがあり、日本としては台湾統治を成功させなければならないということが大前提にあったと思います。あれは植民地政策だと思います。手紙などでも「後藤新平を悪者にしている」などと書かれています。しかし、そうではありません。

 例えば、後藤新平が樟脳(しょうのう)産業を建て直し現在の価値で年間100億円規模の台湾の産業にしたとか、南北縦貫鉄道を作ったとか、一番北のキールン(基隆)の港湾施設をものすごく立派にしたといった功績も描かれています。手紙などに書かれていることはどちらかというと功罪の両方からは見ていないということもあると思います。しかし、どんないいことを描いても、植民地政策です。

 あの中では同化政策だと描かれていましたが、どんなに産業振興のインフラなどができても、生活文化、食べ物を日本式にしないといけない、豚の角煮を食べるのは恥ずかしいとか、宗教、ことば、生活習慣、なかんずく、日本の植民地になったために太平洋戦争で21万の台湾人が日本軍に入隊したといったことは、そういったことを経験した人しかわからないだろうと思いました。

 番組についてさまざまな角度から批判はできますが、今回の番組は、日本の植民地政策に軸足を置き、アジアの一等国を目指していた当時の日本の姿を描こうという制作意図から作った番組ですので、番組の内容はこれでいいのではないかと思います。番組を3回見ましたが、確かに見る人の見方によっては国辱だというところはあります。しかし、軸足を植民地政策に置いたら、こういったことはありうるだろうという感じがしました。補足があればお願いします。


(日向理事)
 いくつか抗議は来ています。一番多いのは、台湾の方々へのインタビューについてです。恣意的に編集したとか、事実関係が違うのではないかという指摘が多くあります。私どもとしてはもちろん事前の調査もしましたし、事後で1つ1つチェックしましたが、その部分について特に問題は発見できませんでした。

 また、柯徳三さんという、番組に登場した方へのインタビューの5時間すべての書き起こしを制作チーム以外の職員も確認していますが、自分たちの都合のいいところだけを抜き取ったということでは決してありません。柯さん自身もNHKに対しては抗議をされていません。 ←(゜д゜ )??
 
 確かに、台湾は非常に親日的であり、日本の植民地政策もうまくいったという前提があります。その前提で番組を見ると、その割合が少ないのではないかという印象を受けた方がいらっしゃると思いますが、現実には、決して意図的に、それから、政治的な意図を持って制作したということはありません。当時の西欧列強の価値観で言えば別に植民地を作ることは悪いことではありません。

 「プロジェクトJAPAN」は、過去の事象の中からある種の教訓をくみ取ろうという視点、趣旨で制作していますので、どうしてもそういう見方で見るというところが出てきます。また、台湾の方が非常に親日的で、台湾との関係は非常に友好的であるということが前提になって制作されているところが少しあります。

 そこは、確かに若い人たちで、当時について何も知らない人たちにとってはある種のショックを受けた可能性が少しあります。そのあたりはこれからの教訓にしないといけないと思います。台湾を選んだのは、あくまでも台湾総督府の膨大な資料が残されていたためです。そういう一次資料を基にして制作することができたということです。


(福地会長)
 私が一番気になったのは、すべてについてきちんとした裏づけがあるかどうかということです。その点は文献と証言に基づいて作られています。例えば「人間動物園」は嫌なことばです。NHKのディレクターがもしそういったことばを作ったらきわめて問題ですが、そのことばもきちんとした第三者の文献に載っています。また、日向放送総局長からも説明しましたが、私は証言の中でいいとこ取りをされるのが非常に嫌いです。

 前職の時代から、証言を出してみたら意図とまったく違い、ある部分だけが使われたことがありました。それは私自身も一番嫌でしたので、ディレクターを2回呼んで確認しました。褒めているところはなかったのかということですが、教育については褒めているところがありました。確かに番組の中でも、先ほどの方の発言は出していませんが、映像の中のコメントで説明していました。そういった面で、すべて事実に基づいて描いているという自信を持ちました。


(小丸委員長)
 会長は、今度、記者会見を行いますか。



(福地会長)
 はい。あさって行います。おそらくこの件について質問が出ると思いますので、今のような発言をするつもりです。



(小林委員)
 意見を言っていいでしょうか。これは個別番組に関する発言になります。そのためにまず、経営委員が個別の番組について発言できるのはどういう場合であり、どういう根拠に基づくのかについてお話しさせていただきます。

 私は、少なくとも、放送法違反などの法律違反およびその違反の疑いのある場合には、経営委員は個別番組について発言できると解釈しています。その理由を細かく言うつもりでしたが、今回は時間もありませんので省略します。

 そういう理解の下、以下発言させていただきます。この番組については、NHKの説明責任が非常に問われていると思います。聞くところによれば、当該番組について、国民、視聴者から放送法に違反するおそれがあるという指摘を含め、質問等が多数来ていると聞いていますので、それに対して真摯に対応して、NHKとしても十分な説明をすべきだということをとりあえず申し上げておきます。今日はもう時間がありませんので、時間があるときに詳しく申し上げます。



今日は引用ばかりですが、そんな日もあると思って許してくださいw

福地茂雄・NHK会長が記者会見で大多数の視聴者の「声」を否定
~愛知李登輝友の会ブログ~
1>> 福地茂雄・NHK会長が記者会見で大多数の視聴者の「声」を否定
   放送法第32条を改正して「強制加入」から「自由契約」に! 署名活動も展開予定

 NHKの福地茂雄会長は昨日の記者会見で、4月5日放送のNHKスペシャル「シリーズJAPANデビュー・第1回「アジアの“一等国”」の内容が偏っていると外部から抗議を受けた事について質問され、「番組を見た」として、「内容が一方的だったとは感じなかった」し、「インタビューを偏って編集した事実はなく、2万6000冊の文献や現地の人たちの証言を踏まえて事実に沿って制作したと担当者から報告を受けている」と答えた

 2,500件以上も届いている「声」のほとんどが「一方的」だと批判しているとNHKの広報局自身が明らかにしているというのに、それには触れず「一方的だったとは感じなかった」と恬として述べ番組を擁護した。
(一部抜粋)



【5月14日 NHKトップトーク】

 番組を見たが、当時の日本が台湾で行った良いところをいくつも取り上げていたし個人的には内容が一方的だったとは感じなかった。インタビューを偏って編集した事実はなく、2万6000冊の文献や現地の人たちの証言を踏まえて事実に沿って制作したと担当者から報告を受けている。



気が狂っとる。
としか言い様が無いと思いましたまる。
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